HERO Challenge 2014 HOT-K 第3戦

HERO Challenge 2014 HOT-K 第3戦

開催日:2014年10月12日
場所:ヒーローしのいサーキット
主催:ヒーローしのいサーキット

アッという間に参加枠が埋まる
関東唯一の軽自動車耐久レース

勝負はエントリーの時点から始まっている⁉︎ 受け付け日になると同時にメールやFAXで申込書が届くほどの人気を誇る、ヒーローしのいサーキットの耐久レース『ヒロチャレ』。コース内が混雑しすぎると面白くないだろう、との心遣いでエントリーは約20台に制限されており、決勝は短すぎず長すぎずの4時間に設定されている。近年はますますエントリーが増えており、ビギナーに向けた60分の『ミニチャレ』を併催するなど、関東の軽自動車オーナーにとっての聖地といえる存在になってきた。今回は最終戦ということもあり、各クラスともシリーズチャンピオン争いが白熱。とはいえ常連チームがビギナーに声をかけて緊張をほぐしたり、コース攻略やセッティングのコツを教えるといった、ピリピリしすぎない雰囲気はいつもどおりだ。ミニチャレには常連の一角、360ccのホンダZがエントリー。60分はクルマの消耗も激しくないので、旧車を思いっきり走らせたい人にはピッタリだろう。またミニチャレで優勝を飾った『チーム・サキ』のトゥデイは、ベストラップが51秒台とヒロチャレでも十分に戦える実力を持つ。2015年はヒロチャレのトゥデイ・クラスで表彰台が目標か⁉︎

TSクラス

シリーズを牽引する77#『air racing』と、追う#5『びびびびびびおっ』。シリーズ争いはこの2チームに絞られている。予選で全クラスを合わせても唯一の49秒台をマークしたair racingがポールポジションを獲得、第1戦と第2戦はノーポイントの伏兵#15『ギャング☆レーシング』が2番手につける。びびびびびびおっは予選4番手からスタート。今年は不慮のトラブルでマシン変更を余儀なくされたair racing、しかしレースではベテランらしい落ち着いた走りで淡々と周回を重ね、総合優勝こそ燃費のいいNA勢に譲ったものの、TSクラスではぶっちぎりのトップチェッカー。ライバルのびびびびびびおっはクラス3位のため、air racingが2年連続でシリーズチャンピオンに輝いた。シリーズ2位はびびびびびびおっ、同じく3位はギャング☆レーシング。

NA1クラス

トゥデイを除く旧規格NAのクラス。第1戦と第2戦は#9『KindHouseRacing』が制しており、第3戦が始まる時点でのポイント差は11。2番手の#29『パンダくん』にとっては厳しい戦いになることが予想されていた。予選から『KindHouseRacing』は絶好調そのもの。50秒945という圧倒的な速さでポールポジションを奪取すると、決勝でも50秒125のベストラップを記録しながら総合でもトップに躍り出る。予選3位の『パンダくん』は徐々に差を広げられ、予選2位から大金星を狙う#55『AZUMA RT』の追撃も及ばない。トゥデイと同じMTRECエンジンながら、搭載位置の関係で熱に弱いといわれるビートを駆る『KindHouseRacing』。NA1クラスどころかTodayクラスの上位陣をも抜き去り、トータル255周で総合優勝の座までゲットした。

NA2クラス

全国的に人気の広がる新規格NA。ヒロチャレでも独立したクラスが設けられ、徐々に参加台数が増えてきている。2014年は専用クラスができる前からHA23Vアルトを投入し、データ取りを重ねてきた#6『M-Chu☆青空がれーじ』が連勝中。そして2番手の#96『マケラーレン』が不参加のため、シリーズチャンピオンはすでに手にしている状態だった。注目は学生だけで構成された#54『高崎経済大学自動車部』。部車にHA23Vを導入し部員みんなでコツコツと製作、部活動の一環としてヒロチャレに参戦しているチームだ。第3戦ではトップ争いにこそ絡まないものの、全員がクルマを壊さずにバトンを渡し切り212周で完走。関東地方に住む東北660選手権のエントラントも注目しているNA2クラス、2015年はエントリーが大幅に増えること確実かも⁉︎

Todayクラス

多くのベテランが集うTodayのワンメイククラス。面白いのはMTREC搭載車じゃなくとも上位を狙える点で、燃費などの総合力を考えれば通常のシングルスロットル車両でも戦えるという。2014年は#4『WildBoarRacing』がわずかにリードしているが、昨年の覇者#1『NDR rosso』の順位によっては逆転の可能性も十分に残っている状態。ギリギリの戦いは予選から始まり、ポールの『WildBoarRacing』が50秒68なのに対し、『NDR rosso』は50秒873で追いすがる。しかし両者の争いに割って入るどころか、優勝まで持っていったのは予選3番手の#12『小野路レーシング』。最後に今シーズン初勝利を決め、チャンピオン争いに一石を投じる結果となった。なおシリーズチャンピオンは2位の『WildBoarRacing』、2015年は王座を守り抜けるか?


photo&text by 佐藤圭


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