HERO Challenge 2014 HOT-K 特別戦

REPORT-1

予選はなし
スタートは申し込み順!!

3戦のシリーズが終わっても、まだまだ走り足りない! そんな耐久フリーク待望のイベントが、ヒーローしのいサーキットの『ヒロチャレ特別戦』だ。通常のヒロチャレは決勝が4時間、それに対し特別戦は5時間とわずかに長い。たかが1時間と思うかもしれないが、ほとんどのチームは燃費やタイヤの消耗を4時間で計算しているため、特別戦では作戦を練り直す必要があるというワケ。また面白いのは、昼に1時間のインターバルがあること。マシンをホームストレート上に保管し、すべての作業が禁止される事実上の昼休み。この休憩を挟むことで少人数のチームはひと息つけるし、マシンの消耗も少しは抑えられる。そして通常はTS/NA1/NA2/Todayと分けられるクラスが、特別戦はその垣根が取り払われて文字どおり軽自動車のキングを決める一戦となるのだ。過去のリザルトを見る限りではNA車両が有利だけど、何しろ5時間という長丁場だけに、最後まで何が起きるか一瞬たりとも目が離せない!

選は行なわれず、スターティンググリッドは申し込みの先着順というのも恒例となっている。その結果TSクラスの覇者、#77『air racing』がポールポジションに。2番手はNA1クラスのチャンピオン#9『KindHouseRacing』、3番手はTodayクラスを制した#4『WildBoarRacing』と、各クラスの上位チームはエントリーも早いことを実証する。スタート直後はスプリントレースのような競り合いが続き、徐々に集団がばらけてくると上位陣のメンツも固まってきた。午前の部が終わった時点でのトップはair racingで112周、同一周回でしのいマイスターの#1『NDR rosso』、続いて#12『小野路レーシング』と『WildBoarRacing』が111周、さらに1周差の110周で『KindHouseRacing』/#15『ギャング☆レーシング』/#55『AZUMA RT』が追う。東北660選手権の常連たちも3台でエントリーし、この時点でのトップは#95『松クィーンwithRT松伏』の10番手。ラジアル&エアコン付きとしては上々か。

REPORT-2

レース中盤〜
ゴールシーン

盤に入るとマシントラブルに見舞われるチームが出てくる。それは上位チームといえど例外ではなく、なんとトップを快走していたair racingが167周の時点でリタイヤ、コース上から姿を消してしまった。さらに『KindHouseRacing』も202周で戦列を離れ、トップ争いは『WildBoarRacing』と『NDR rosso』、第3戦で優勝した#12『小野路レーシング』に絞られる。奇しくもすべての車両がトゥデイという状態で、未だに耐久マシンとして根強い人気があるのも納得だ。そしてスタートから5時間後、夕闇のなかでチェッカーフラッグが振られる。なんとトップ3台が306周の同一ラップという、耐久レースとは思えない大接戦。優勝は『WildBoarRacing』、2位に『NDR rosso』、3位が『小野路レーシング』。3チームともヒロチャレの常連なのは確かだが、燃費と速さを両立するトゥデイの凄さを改めて思い知らされる結果となった。レース中のベストラップを比較しても、上位3チームはほとんど差がない。

ゥデイ以外のマシンを見てみよう。過給器つきのトップは4位の#17『ENJOY-TATUMI』、トゥデイ以外の旧規格NAは#29『パンダくん』で9位、そして注目の新規格NAは『松クィーンwithRT松伏』が7位に入る健闘。同一周回の8位にはその仲間である#51『パンドラビルズミラ』が入り、新規格NAのポテンシャルと可能性を証明した。なおヒロチャレは2015年も開催が決定している。レース時間は今までと大きく変わり、第1戦と第3戦が220分の耐久で第2戦は100分の耐久(レース中の給油は禁止)が2ヒート。特別戦は例年どおり5時間という流れだ。また「参加したいけど自信がない」というレース予備軍のため、6月と9月に軽自動車だけの練習会も予定しているとのこと。クラスも若干ながら変更される。今まではトゥデイのみ独立したクラスだったが、新しい規則ではMTRECエンジン搭載車の『HMT』クラスに統合。ますます盛り上がること必至のヒロチャレ、今年は仲間を誘ってエントリーしてみよう!


photo&text by 佐藤圭


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